大正期に活躍した「新思潮派」の作家、芥川竜之介の小説。初出は「赤い鳥」[鈴木三重吉主宰、1921(大正10)年1月、2月]。短編集「夜来の花」[新潮社、1921(大正10)年]に収録された。上海で誘拐された日本領事の娘「妙子」を救うため、「遠藤」はアグニの神を「妙子」に交霊させて事態を好転させようとする。上海が危険な街だという認識が芥川にあった頃の作品。
平安時代中期に紫式部によって創作された最古の長編古典小説を、与謝野晶子が生き生きと大胆に現代語に訳した決定版。全54帖の第1帖「桐壺」。帝の寵愛を一身に受けた桐壺の更衣は女御たちの嫉みを買い、幼い皇子(源氏の君)を残して病死してしまう。帝は悲しみを和らげるため桐壺に生き写しの藤壺を入内させる。源氏の君は美しく成長し元服を迎え、左大臣の娘・葵と結婚するが、苦しいほどに藤壺を慕う源氏の君の心は晴れなかった…